物忘れは忘れた頃にやってくる…
シャンプー、ティッシュペーパー、トイレの臭い消し、洗剤、洗顔…。
きらしてしまう家の中の備品を、思い出したときにメモをしておく。
後日、まとめて量販店で購入するためだ。
仕事でなかなか時間が取れない日々が続いたが、先日、やっと時間がつくれた。
自宅から離れた場所で別の用件もあったので、「ついでに量販店へも立ち寄ろう」と思い、朝から家を出た。
用件を済ませた私は、量販店に車を乗り入れた。
入店して「ハッ!」と思った。
メモを忘れた…。
忘れないようにメモをしていたのに、肝心のメモを忘れた。
何というアホ! 自身の〝老い〟を実感してしまった。
仕方がないので、思い出しながら店内をウロウロ。
少しずつ思い出し始めたが、馴染みのない店なので、何がどこに置いてあるか分からない。
「あのぉ、すいません。○○はどこでしょうか?」という質問を2、3回繰り返しながら、
お目当ての品との距離を縮めていく。
ところが、「質問する」という別の命令を受け取った脳は、
せっかく思い出した品をどこかに置き去りにしてしまう。
つまり、また忘れてしまうわけ…。
何というアホ、アホ!
こうして老いた脳を戦いながら、幾つかの品をやっと購入した。
しかし、家に帰ってメモを照らし合わせてみると、
「あっ! あれを忘れた。これも…」
「もう1回メモしとこ」と思っていたら、電話が鳴った。
数分後、「あれ、何をしてたっけ?」と考え込む私でした。