「ワイヤーママ熊本」編集室から -13ページ目

アノ頃の音楽シーン

 編集作業が一段落した午後9時。ふとしたきっかけで、先輩のY氏、くだんのM氏が、20代のE君を相手に1960~1970年代の音楽シーンの話を始めた。
 「中津川ジャンボリーが…」「嬬恋コンサートは」「オールナイトニッポンが…」「クロスオーバーミュージックという言葉が出始めたのは…」など、オジサン世代の独壇場ともいえる話題がポンポン飛び出してきた。傍らで聞くE君は「はぁ~」「そうですかぁ」とうなづくばかり。「六文銭ってナンデスカ?」なんて尋ねようものなら、「六文銭も知らんとか!」てな具合。会社じゃなくて、焼き鳥屋あたりで飛び交いそうな会話である。
 「フォーライフレコードが…」なんて言葉が出てきたところで、E君は退散。まだまだ続きそうな気配なので、私もこの辺で…。
 

表紙ができました!

 「春よ来るナ!」と言っていた私ですが、謹んで撤回します! お願いですから、ぜひお越しいただきたいデス。小雪の舞い散った昨夜は、「寒かぁ…」と震えながら駐車場まで歩きました。
 しかし、来てほしい最大の理由は〝実に春らしい〟表紙ができ上がったからです。ピンクのバックに写真と言葉が踊ってます! ♪「あぁ春だったネ」(吉田拓郎)、「春よ~」(ユーミン)という昔のヒット曲がオジサンらしくアタマの中を駆け回ります。「いゃぁ、やっぱ春はいいっすヨ」とK氏。終わりの見えたM氏も笑顔満面です。春はオジサンたちの心もウキウキさせるのです。

不思議な心境の日曜日

 3月13日(日)午後8時12分、すべてのゲラができ上がった。トンネル工事に例えれば、穴がつながった状態。「光が見えた!」
 しかぁ~し、まだチェック作業が山ほど残っている。誤字脱字、事実関係の照らし合わせ、目次との整合性など…。アタマが痛くなること間違いなし! アイタと腰は痛くなるし、グゥ~と腹はなるし、ズゥ~と足取りは重くなるし、スゥ~と懐は軽くなるし(ずっと軽い)…。
 ところで創刊号が発売される3月25日(金)は「日本vsイラン」の試合日。福岡ドームで行われる「ソフトバンクvs阪神」の交流戦前売りチケットの発売日でもある。28年間の〝トラキチ歴〟を誇る私としては、チケット入手に全精力を傾けたいところ。一方、イラン戦も観戦したい。でも「ワイヤーママ熊本」の発売も気になる…。
 てなことを考えるようになったのは、トンネルが貫通して、幾分落ち着いてきた証拠なのか…。残された作業の多さに、私的な楽しみが少しずつ注がれていくような不思議な心境である。それにしても腹が減ったぞぉ。 

深夜は続くヨ どこまでも

 というわけで、連日の深夜業務が続いている。その涙ぐましい努力、奮闘、悪戦苦闘に比例するように、ゲラが次々にできあがってきた。「ん~、いまいちかな」「これゃ、ようできとる!」と自問自答、自画自賛しながら活字・写真とにらめっこ。一冊になれば、パラパラとめくって何のことはない本や雑誌なのだが、1ページ、1コーナーには編集者の思いが込められている(ダゴかっこえぇ!)。
 でもきつい、つらい…。「今日はこのへんで勘弁してやる!」と捨て台詞を吐いて、退社する毎日であった。オツカレサン…。

玩具の創造力

 東京のボーネルンドから写真と資料がメールで送られてきた。種類の多さと素晴らしさに脱帽した。
 恥ずかしい話だが、「ワイヤーママ熊本」の編集を手掛けるまでボーネルンドを知らなかった。子どもが既に大きくなっていることもあり、玩具を買い与える機会がなかったからだが、〝世界のブランド〟として有名だそうだ。
 ネットで検索すると、ボーネルンドとはデンマーク語で「子ども」と「森」を意味する2つの言葉から付けられたと書いてある。デザインや色彩、安全性にポイントを置いている。ビー玉やメンコ、2B弾(と言ってもわからないかなぁ)といった遊び道具で育った私の世代には、ちょっと信じられないような高品質の玩具である。今の子どもたちがうらやましい。
 遊び道具は〝創造力を養う〟ことが大切だ。組み立て・分解ができるシンプルな玩具が、根強い人気を誇る大きな理由はそこにあるようだ。組み立て・分解はできないが、ビー玉やメンコにもいろいろなルールや遊び方があったことも、創造力と無縁じゃないのかもしれない。

Let's it beで大丈夫かぁ?

 「蛍光灯の光がパソコンの画面に反射して見づらいですヨ」(M氏)、「蛍光灯は消せないでしょ」()。「これ、どうゆう順序で並べたらいいスっかねぇ?」(K君)、「やっぱり日付順かなぁ。んん…」(私)
 終日外出もせず、社屋のフロアに閉じこもって〝格闘〟していると、難問奇問が次々と飛び出してくる。帰宅するのは深夜、朝からボーッとして出社するので、他のことなどチンプンカンプン。世の中の動きはどうなってんだぁ!
 K君は「大丈夫っすヨ。ビンビンっス」。若いからうらやましい。「あれぇ! なんで(パソコンの)ウィンドーが開かないんだぁ?」。そう若くないM氏は嘆く。はというとオロオロするばかり。「えぇい、なるようになるサ。Let's it beだ!」と中年世代がよく吐く科白で、自分を無理やり納得させる。あぁ、今夜も時間だけが過ぎていく。ところで今日は何曜日だっけ?
 ※最近、外出していないので、内向きのネタばかり。どうもすいません…。

おにぎりの現実と夢想

 「ワイヤーママ熊本」の編集を始めて、きょう初めて夜食を食べた。とは言ってもコンビニで買ってきたおにぎり3個。前日紹介したM氏とアシスタントのK君も同席した。たくあんも、吸い物もない〝さびしい夕食兼夜食〟である。
 ラベルを見ながら、「これは紀州の梅だぁ」とM氏。「こっちは日高昆布っすヨ!」とK君。私はわびしさとさびしさが胸を占拠して、なかなか会話に加われない。「おいしっすネ」とK君に言われても、「…」と黙り込む。
 でも、ここが食料のない山中で遭難したシーンだと仮定すれば、おにぎりのなんとありがたいことか、なんと美味なことか。置かれた状況を、ちょっと違った角度で考えてみただけで、おにぎりの価値が一変する。「あぁ、おにぎりさん。アンタに出会えてよかった!
 「さぁ、仕事に戻りましょうか」。真面目なK君の一言で現実に戻され、ため息をつくオジサンだった。 

M氏、今夜もパソコンと格闘す…の巻

 パソコンの画面上でレイアウト(版を組み上げていくこと)をすることをDTPというらしい。我輩は不勉強で何の略かは知らない。
 「ワイヤーママ熊本」はすべての誌面をDTPで組み付ける。旧知のM氏がパソコンを自由自在に操り、画面を自分ちの庭のごとく縦横無尽に駆け回って誌面を完成させていく。「コンナ形で、ココにこんな色を付けて…」などという無知な私の無謀な要求にも期待以上に応えてくれる。まさにゴールドフィンガー(と言っても若い人は知らないだろうなぁ)。
 しかもM氏は博学である。「あの漫画家の実家は…」「白亜紀の恐竜は…」「ケネディー大統領は…」など、話題は無限の宇宙からショウモナイことまで無尽蔵。まるでパソコンのような人物である。
 M氏と〝夜を共にする〟日が続いている。「あぁ、あと10日一緒にいるのか…」。そんな我輩の胸中を知ってか知らずか、M氏は今夜も黙々とパソコンに向かっている。
 
 

今度はディスクが反乱だ!

 日曜日の休日出勤。出社中、ほとんどの信号に引っかかり〝イヤァ~な予感〟がしていたが、やっぱり苦難が待っていた。
 事件は本格的な誌面のレイアウト作業中に起きた。分解した写真は一度、MOと呼ばれるディスク(大型のフロッピーみたいなもの)に落とし込む(CD-Rでもいいのだが…)。分解処理が施されていないと、美しい画像を印刷に回せないためだ。ところがMOの機嫌を損ねてしまったのか、パソコンの呼び出しに応じてくれない。つまり写真画像がパソコンの画面に出てこないのだ
 すべての画像が〝反乱〟を起こしたわけではない。大半のMOは従順なのだが、一部不満分子のせいで作業がトラブってしまった。仕方なく「できることから始めよう」と予定していた面以外から作業に取り掛かったが、一度上がったモチベーション(カッコいい!)は、なかなか復活しない。昼食をとったら、少し落ち着いたので(単純!)、ペースを取り戻して、予定のレイアウト量を何とかこなすことができた(頑張りましたA型まじめ人間)。
 でも、やっぱり悔しい。機械のバカやろう!! と叫びつつ、「もう少しやろうかな」と思う、日曜日の午後7時でした。
 ※追伸 昨夜は「ごくせん」見そこねたゾォ! 

制作順調です!

 「ワイヤーママ熊本」創刊号の誌面ができあがり始めました。ピンクで統一されたファッションショップ情報、マリオネットの占いコーナー、阿蘇郡西原村在住のプロダクトデザイナー・佐々木敏光さんが制作する「子ども家具」、小学校紹介の誌面などバラエティー豊か。誌面を飾るあざやかな色、色、色が一足早い春を運んできます
 表紙のデザインもほぼ決定。宇土市の坂守さん親子3人が表紙を飾ってくれました。撮影は熊本市下通りの「堤写真館」で行いましたが、堤さんが上手に表情を引き出してくれました。
 さまざまな人たちの協力で、創刊号が形を現しつつあります。もうしばらく待ってくださいね!